ALL ABOUT マイコンBASICマガジン

11月8日に開催されたベーマガのイベントに参加してきた。同誌が2003年に休刊して以来初めて開催された読者向けイベントである。VIP席はなんと2分で、一般席も30分ほどで売り切れてしまったそうだが、運良くチケットを入手することができた。実は、自分は海外から帰ってきたばかりで、時差ボケもまだ治っていない状況だったので行くのをやめようと思っていた。だが、VIP席でお土産も頂けることだし、古代祐三氏が出演するということだったのでそれだけでも見ようと、体調が余り優れない中、体に鞭を打って行くことにした。そして、結局最初から最後まで存分まで楽しむこととなった。

イベント前日に当日の案内のメールが届き、開演14時のところ、10時から整理券を配り始めるとのことであった。流石に自分はそこまでする元気がなかったので、13:30頃にやおら会場に到着すると雨の中、建物の外にまで列が伸びていた。並ぶこと10〜15分、ようやく会場に入ることができる。会場内では各種展示・販売の横でなんとアルコールも販売されており「おっさん」に嬉しい仕様となっていた。さっそくビールを購入して開演を待つ。

そしてついに山下章氏が登場。自分は、ウン十年前にパソコンサンデーに出演されていたのを見たきりだったので、若造(失礼!)から好紳士へ変身されたような印象を受けた。オープニングの音楽にパソコンサンデーのテーマソングが使われたり、PC-6001音声合成を使ったアナウンスが使用されたりする等、各所で趣向が凝らされ、観客の拍手・喝采を読んでいた。また、オープニングムービーも、同じテーマのオートバイレースゲームがキャラクターベースの画面から始まって、低解像度・低色数のグラフィック、多色数のグラフィック、ワイヤーフレーム、現代の3D CGへと切り替わってパソコンゲームの歴史を辿るものとなっていたのも面白かった。

イベントは三部で構成されていた。第一部では編集部の方々が編集の苦労話や裏話を語られた。第二部ではベーマガに実際にプログラムを投稿していたプログラマーの方々が登場し、プログラム作成や投稿に当たっての苦労話をされ、また実機による各出演者の最も思い出に残るプログラムの実演もされた。第三部では、ゲームライター諸氏が出演して、ゲームライターからの視点での思い出話が語られた。そこで、当時の写真も映されたのだが、第一印象はみなさんがとても若いということ。当時は高校生、予備校生、大学生くらいの年齢だったので当然そうなのだが、青春時代をそういう場所で過ごされたということを羨ましく感じた。

どの部もそれぞれ面白かったが、やはり一番印象に残ったのは第二部である。プログラムの実演中にゲームの難易度を変えるためにステージ上でプログラムの修正が始まる場面。BASICのプログラムと言いながら、実体はほぼマシン語のプログラムがDATA文で埋め込められて、しかもハンドアセンブルされていたという話。しかも、後の作品ではハンドアセンブルに懲りて自作のアセンブラコンパイラを書いて、その上でプログラムを書いていたという話。投稿の少ないマイナー機種向けに編集部の方がプログラムを書いていたという話。アーケードゲームのBGMを録音して耳コピでN88-BASICMMLでプログラムを書いたという話。しかも、チャンネル毎にテンポがずれるバグを回避するテクニックが披露される。ある特定世代のノスタルジアをばっちりくすぐってくれる内容であった。

複数の方のコメントがごっちゃになっているかもしれないが、次のようなコメントが印象に残った。当時がキラキラとして感じられるのはやはり夢中になってやっていたことがあったからで、今では大人になって、仕事や家庭など日々の忙しさに追われているかもしれないが、今だって夢中になるものを見つけてキラキラした時間を過ごすことができるはずだ、と。

このイベントは同窓会のようなもので、おっさん達がただ昔を懐かしむだけのものかもしれない。しかし、おっさんはおっさんなりに元気を頂いた次第で、非常に満足できるイベントだった。

 

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